名古屋市同棲支援センター

ykpyがなにか書きます

東京エイティーズ

『東京エイティーズ』(安童 夕馬 / 大石 知征)という漫画の話。

自分はこの漫画を2回読んだことがある。1回目は連載終了直後の2007年頃。2回目は2021年の昨日。

親の本棚で初めてこの漫画を見つけたのはおそらく小学6年生くらいのときだ。 40代にさしかかった主人公が大学での恋愛や友情を回想しながら進んでいく話で、いわゆる青年漫画である。第一話でいきなり主人公がヒロインと寝てしまうのだが… いきなりそういう引きがあったので読んでしまったという話でもある。

よくよく考えると当時の自分はまだ大学生活だったり社会生活というものが全く分かっていないのだが、妙に惹かれる漫画だったのを覚えている。電子書籍で読み返してみたら大いに感動してしまった。

自分が今でも大切な思い出である大学生活 *1 や、就活、社会人生活を経てから読むと、気づかないうちに自分に多くの経験が付与されていることを実感する。そして、その経験の源であった時代はもう戻らないのだという悲しさ、ノスタルジアがやってきた。

主人公たちは卒業から20年後に再会するわけだけど、自分もある意味14年ぶりにこの物語と再会したわけだ。 主人公が大学生だったのは1983年とかだが、現代と変わらない普遍的な営み、感情の揺らぎがあって、一方でまだ携帯電話もない時代である。今では完全に失われてしまった感覚が1983年にはあるのだろうと想像すると、仮想的なノスタルジアを感じたりする。

大学のときに感じていた気持ちは、今では薄れてしまっているような気がするが、自分が40歳くらいになる頃に主人公のようにふと思い返したりするんだろうか。 これからの人生にポジティブでもネガティブでもない気持ちになった。名作だと思います

*1: このあたりに大学生活を懐かしんでいる話がある https://nagoyadousei.hateblo.jp/entry/2020/08/26/000203